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トップの活躍は良い下部組織があってこそ

アルゼンチンの子供達は自然にサッカーをプレーする環境に置かれている。しかし、そういう子供達をただ放っておけば自然と良い才能が台頭してくるというわけではない。才能を活かす為の“発掘”が必要であり、時間を費やして計画された“指導”が大切なのである。

それにいち早く気づいた現マウリシオ・マクリ会長は、ジュニアサッカーからユース、ユースからプロへ進んでいく体制、つまりジュニアとユース部門の受け入れ先がプロチームに直結しているという一つの構造を整えなければならないと考え、会長就任後すぐにジュニアカテゴリーにラモン・マドーニ、ユースカテゴリーにホルヘ・グリファを迎え入れた。

それまでボカは、その他海外のビッククラブがそうであったように、中堅クラブの主力選手を高い移籍金で“引き抜く”クラブであった。しかし、この両者がボカに入ってから、ボカの下部組織の状況は一変した。ジュニアカテゴリーのマドーニの目によって発掘されたダイヤの原石が、基礎技術を磨かれてユースカテゴリーに上がり、ユース期の一貫した指導でメンタル・テクニック・フィジカルなどのプロになる上で重要な3つの要素を徹底的に学ばされる。この結果、今やボカの1軍の半数は下部組織出身選手で占められている。そして、“引き抜く”クラブと呼ばれていたボカは、今では一流選手を“育てる”クラブとして世界中の注目を浴びている。


クラブ・パルケはボカの原点(ジュニアカテゴリー:6歳〜13歳)

首都ブエノスアイレスの住宅街、ビジャ・デル・パルケに創設されたクラブ・パルケ(正式名:クルブ・ソシアル・イ・デポルティボ・パルケ)は過去にレドンド、ソリン、カンビアッソ、コロッチーニ、テベス、ガーゴなどの世界的プレイヤーを輩出した事で有名なアルゼンチンの「スーパースター育成所」である。そして、現在このクラブ・パルケはボカの下部組織としてジュニアカテゴリーの育成を受け持っており、その総責任者を務めるのがラモン・マドーニである。

マドーニが統括する6歳〜13歳までの7つのカテゴリーには、ボカが全国からスカウトしてきたエリート選手達が集まり、同年代の他のチームとは比較にならないほど、ハイレベルなチーム力を誇っている。ここを卒業する選手の中からマドーニの推薦を受けた選手がボカに上がり、ボカのトップへの道を突き進む。クラブ・パルケの食堂の壁には、ボカのトップや代表などに選ばれ、世界的な活躍を見せるパルケ卒業生達がマドーニに贈った名前入りユニフォームが所狭しと掲げられ、同クラブの輝かしい歴史と明るい未来を物語っている。


エリートが集うカサ・アマリージャ(ユースカテゴリー:14歳〜20歳)

ボカのユースには14歳〜20歳の選手達が登録しており、年代別に9軍〜4軍までの6つのカテゴリーで構成されている。各カテゴリーに登録している選手は25名ほど。しかし、エスカレーター式に9軍、8軍と上のカテゴリーに上がれるわけではない。毎月約2000人の選手達がセレクションを受けにボカを訪れ、力不足と判断されれば、ボカの一員から外されテスト生と入れ変わる事になる。そんなプレッシャーの中、選手達は強いメンタルとプロになる為の厳しさを学んでいる。また、各カテゴリーで全国規模のリーグ戦が行われており、少年の頃から常に実戦を通して、サッカーはどんな競技であるか、という基本的な事をみっちり教え込まれる。

選手達のほとんどは(ボカ近辺に住む選手を除く)“La Bombonera”スタジアムに隣接するカサ・アマリージャという宿舎に宿泊し、中には親元を離れ海外からわざわざボカでのトップデビューを夢見て生活を共にする選手達もいる。ボカユースは国内だけではなく、南米全土が認めるサッカーのエリート集団なのである。
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